タオルのディスプレー
 今日はヒカリエに行って、タオルのディスプレーの仕上げをします。
 
 タオルのディスプレーは簡単なようで難しい。

 よく失敗するのが、売上げをとることに真剣な人に見られますが、売れなくなると段々品数や数量を増やしていっててんこ盛りにしてしまうことです。こうすると商品が安っぽく見えて、価値を下げてしまい、結果として売上げも増えない。

 反対におしゃれで「センス」のよい人に見られますが、タオルの種類と品数を最小限に減らしてしまって、一枚一枚の配置を1cmの狂いもないようにきちんと並べその空間と商品がきれいに見えるように神経を使って展示する。しかも大半をガラスケースの中にしまい込んでしまう。こうすると確かに見た目にはきれいで心地よく感じますが、このような人はタオルという商品が触ってもらってなんぼという商品であることを忘れているようです。ガラスケースの中に寸分違わずきれいに陳列されたタオルは確かに、ギャラリーに展示された作品のようにきれいに見えますが、見ている人にそのタオルに触ることを躊躇させ、見るだけで終わってしまうことになりかねません。

 人は生まれたときから1日必ず4〜5回以上はお世話になるタオルという製品が潜在的に好きです。目の前にあるとつい触ってしまいます。そしてタオルの価値は見た目の美しさ以上に触った感触と機能性にあります。ですから、タオルのディスプレーのポイントは、お客様が商品棚の前にたったときに思わず手を伸ばしてタオルに触ってしまうように配慮する必要があるのです。もちろん店全体の空間をどう作るか、フロアー全体の中で、店の特徴をどう表現するかは大切なことです。でも最後は店に入ってくださったお客様が、商品棚の前で商品を手に取ってくださるかどうかが勝負の分かれ目です。

 手に取りやすい棚に並べられたタオルたちが「私に触って!」と微笑みかけているような並べ方。お客様が買うつもりはなかったけれど、つい触ってしまう位置。触れば配置も乱れるので、乱れてもいいよと思わせる並べ方。「きれいで隙なく」ではなく「ちょっと隙あり」でも「だらしなく」ではなく……。なにか男女の恋愛指南みたいになってしまいましたね。

 それからタオルという商品は服とは違って1枚だけで買われるということの少ない商品です。洗い替え用とか、家族で色違いで購入するとか、友達へのプレゼントとか、何かのお返しとか。ですから同じものを最低2、3枚は同じところに積んでおく必要があります。

 たかがタオル、されどタオル。

 明日の内覧会を控え、今日も昼から積んでは崩し、並べては壊しで、まるで海辺の波打ち際に積み上げる砂山のような作業をしにヒカリエに行ってきます。


 (written by わたのはな)

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by ten_i_muhou | 2012-04-23 08:02 | わたのはな
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