さても命が盛んな季節でございます。沿道の低木はますます歩道を侵食し、大きな蟻が蝉を引きずり、川面をボラが飛び跳ねています。夏ですねえ。
ところでこのボラ、本当にびっくりするくらいよく跳ねるのです。餌を求めてか寄生虫を取るためか、あるいはそういう泳ぎ方なのか、あちらでぼっちゃんこちらでばっちゃん、ぱしゃんぱしゃんぱしゃんと続けざまに飛び跳ねることさえあります。 ボラは出世魚で、関東ではオボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドと大きくなるにつれて呼び名が変わります。 いなせ、という言葉がありますね。これはまだ髷を結っていた時代の若い衆の髪型「鯔背銀杏(いなせいちょう)」に由来しています。 若い衆の青々とした剃り跡を、「ボラ」サイズ一歩手前である「イナ」の青灰色でざらついた背に、または跳ね上げた形を背びれに見立てたのが由来だとか。 そして鯔背銀杏は、主に日本橋の魚河岸で流行した髪型でした。このことから魚河岸の若衆のように粋で勇み肌で、またさっぱりした気性や容姿の若者を「いなせ」と称するそうです。 月の明るい晩に、軽い音を立てて銀色の魚が水面から体長の二、三倍もの高さまで飛び上がり、きらりと夜の光を跳ね返す様には、さすが本家本元の「いなせ」だな、とつい見惚れてしまいました。 (written by スイ:a tenimuhou fan) オーガニックコットン専門店 天衣無縫のweb-shopへ
by ten_i_muhou
| 2009-07-19 18:15
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