経産省の「オーガニックコットンに係る表示ガイドライン」
経済産業省(中小企業基盤整備機構)から「オーガニックコットンに係る表示ガイドライン(最終案)」が発表されました。

しかし、この「最終案」は、昨年3月に公表された「ガイドライン骨子案」に比較して「オーガニックコットン」(原材料)の定義については、「骨子案」の基準を継承しつつも、「オーガニックコットン製品」の定義について、根本的な点で大幅な後退(曖昧化)に陥ったように思われます。

「最終案」は「オーガニックコットン製品の定義」について「『オーガニックコットン製品』とは原料の1部または全てに『オーガニックコットン』が使用されていることが証明できる製品と定義する。」(「最終案」p9)と述べています。

この点について、「最終製品」に対する化学分析では「オーガニックコットン」と「非オーガニックコットン」の区別がつけられないという科学技術の現段階において、「オーガニックコットンが使用されていることを証明」するためには、製造工程の履歴を第三者が追跡して、オーガニッコットンの純度や使用量を明らかにすることがどうしても必要になります。

しかし「最終案」はこの点を文言上は「オーガニックコットン製品に関与する事業者はトレーサビリティを確保する。」としながら、その内容について「自主的に客観的な判断を受けることが望ましい」という言い方で内容を曖昧にしてしまいました。

「自主的に客観的な判断」とはいったい何でしょうか?
「トレーサビリティを確保する」のに、「今のところ」は「客観的な判断」がなくてもよいということなのでしょうか?
あるいは今のところは「トレーサビリティが確保」されていなくても「オーガニックコットン製品」と定義してもよいといことでしょうか?
そもそも「トレーサビリティ」とは「製造履歴証明可能」という意味ではなかったのでしょうか?

参考までに、この部分について、今年の「最終案」と昨年度の「骨子案」の文章を転記します。

今年の「最終案」における記載事項
「オーガニックコットン製品であることを記載する場合、オーガニックコットン製品に関与する事業者はトレーサビリティを確保する。また情報管理水準を高めるために、自主的に客観的な評価を受けることが望ましい」

昨年度の「骨子案」における記載事項
「オーガニックコットン製品であることを記載する場合、オーガニックコットン製品に関与する事業者はトレーサビリティを確保する。トレーサビリティを確保するには、書面での情報管理を行うとともに、実地検査を受けるなど、客観的な判断を受けることが望ましい」

この二つの文章を比較すれば、「一般消費者」の目からしても、どちらが「オーガニックコットン製品」の定義として明確であり、具体的であるかは明らかです。

「オーガニックコットン」に限らず「オーガニック農産物」と「オーガニック製品」の定義には「第三者認証」が必要であり、「トレーサビリティ」の「客観的な証明」が必要であるということが、国際的な「常識」です。この部分を曖昧にした日本流「ガイドライン」が世界の重要な部分である日本におけるオーガニック事業の発展に本当に寄与することになるのかどうか?「悪貨が良貨を駆逐する」ことにならないかどうか?オーガニック事業者は心して仕事に取り組む必要があるように思われます。

(written by わたのはな)

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by ten_i_muhou | 2010-04-25 23:51
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