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サスティナビリティ学の誕生
 今年の1月5日。東京大学出版会より「<知>の統合による地球持続性への挑戦」とうたわれた「サスティナビリティ学」全5巻の第一巻「サスティナビリティ学の創生」が出版されました。

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執筆者は工学博士で元東京大学総長の小宮山宏氏をリーダーとする農学、理学、その他各分野で活躍中の第一線の研究者の方々。

「サスティナビリティ学」とは耳慣れない言葉ですが、その定義についてこの本の序章で次のように語られています。少し長くなりますが、問題意識の所在が明確になりますので引用しておきます。

「サスティナビリティ学は細分化された学術では持続可能性にかかわる複雑な問題は解決できないと言う認識にもとづき、個別学術を統合化し、複雑な問題を構造的にとらえる新たな学術体系である。」(p4)

「私たちは…サスティナビリティ学を地球システム、社会システム、人間システムとその相互関係に破綻をきたしつつある状況を解決するための新たな学術と定義した」(p5)

「地球、社会、人間システムが破綻しつつある具体的な問題として、化石燃料利用の増大と地球温暖化の進行、天然資源の浪費と廃棄物の増大、生物多様性の減少と生態系の劣化が重要であることを指摘し、そうした問題を解決するためのビジョンとして、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の構築が求められていることを指摘した。」(p5)

「サスティナビリティ学がめざすべき持続型社会をいつまでにつくりあげていくのかについて、2050年を長期的な目標年としている。…いいかえると、そのときまでにめどがたたないと、たとえば地球温暖化や資源の枯渇、生態系の劣化や砂漠化の進行といった事態からみて地球持続性に破滅的な危機が訪れる可能性がきわめて大きいと考えられるのである。」(p6)

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皆さん、いかがでしょうか?

この「サスティナビリティ学」は、現在日本では「サスティナビリティ学連携研究機構(IR3S)」に参加する東京大学、京都大学、大阪大学、北海道大学、茨城大学、東洋大学、国立環境研究所、東北大学、千葉大学、早稲田大学、立命館大学によって進められているそうです。

人間の問題を「システム」と言ったり、研究者の社会的立ち位置や思想性が気になるところもありますが、その確認を含めて、とりわけ「生態系の保全」という観点から「自然共生社会」をめざしてオーガニック事業を営む私たちも、このような研究活動の発展から実践的に学んでいく必要があるように思います。

(written by わたのはな)

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by ten_i_muhou | 2011-01-16 23:12 | わたのはな
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