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ノニト・ドネア対モンティエール戦を観て
 去る2月21日(現地時間2月19日)「黄金のバンタム」のWBC,WBO世界チャンピオン、フェルナンドモンティエールに挑戦する「フィリピンの閃光」ノニト・ドネアのタイトルマッチが米国ラスベガスで行われた。戦前の予想では、2:1から3:1でドネア優位というものであったが、かつてバンタム級世界ナンバーワンといわれた長谷川穂積を4ラウンドTKOに破ったモンティエールの強さを目の当たりにした日本のボクシング関係者は全員が「モンティエールに勝機あり」とするものであった。
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 試合は、パンチ力、スピード、技術ともほぼ実力伯仲と思える両者がパンチを出さない(出せない)距離の取り合いから始まった。緊迫した空気を破るように、最初に仕掛けたのはドネアであった。鋭いステップインで左ジャブからきれいな右ストレートを出すが、モンテイェールはダッキングとステップバックで軽くかわす。今度はモンティエールがフェイントをかけながら、パンチを出す気配を見せるとドネアが素早くステップバックしてモンティエールの打ち気をそらす。こうした探り合いの中で、ラウンド後半、いきなり両者が接近して、まるで真剣の切り合いのような左右のパンチの交換があったが両者とも紙一重で相手のパンチをかわして、1ラウンド終了。このラウンドは後退しながら自分のカウンターの距離を取ることに専念したモンティエールにたいして、たえず前に出ながら、時々左ジャブと右ストレートをヒットしたドネアがやや優位と思えた。
 
 第2ラウンドは両者とも緊張がほぐれて、動きが活発になるように見えた。特にモンティエールが小刻みに体を動かしながらドネアの懐に入るシーンが見られるようになり、自分の距離に入った時のモンティエールの強さを知っている日本のボクシングファンの中には、長谷川戦のようにモンティエールの強烈な左フックがドネアのアゴをとらえ、それまでのドネアの優位を一瞬にして葬り去るシーンを想像した人もいたのではないだろうか?ところが、試合前に相手の動き方をよく研究していたのはドネアのほうであった。

 第2ラウンド後半、フェイントをかけながら前にでたモンティエールが体を左に傾けながらジャブのような右フックを軽くドネアの顔面にヒットさせる。通常、右構えの選手の右のパンチは左ジャブのあとで強く打込むことが多いが、重心が低く、武道家のすり足のようなフットワークで素早く移動するモンティエールは得意の左フックを決定打にするために、右を軽くジャブのように使うことが多い。長谷川選手はこの右をアゴに受けたため、同時に放ったカウンターの左ストレートのタイミングを外された後、内側からダブルで打込まれた強列な左フックをアゴに受けて、TKOに追い込まれている。このモンティエールの定石とも言えるパンチの組み立てと体の動きをよく研究していたのはドネアであった。ドネアはモンティエールの初動の軽い右をあえて顔面で受けながら、自分も得意とする強烈な左フックを、右を打って体が伸びきったモンティエールの左顔面のテンプルにヒットさせたのである。(このパンチは今人気上映中の「あしたのジョー」で矢吹丈が力石徹やウルフ金串を倒した「クロスカウンター」に近いパンチと言っても良いかもしれない。)「肉をきらせて骨を切る」とも言うべき、強烈な左フック1発で、モンティエールはリングに沈むことになった。まさに長谷川を倒したモンティエールの得意技が自らの墓穴をほることになってしまったのである。一方、ドネアの左フックはかつてKOキングと言われたダルチニヤンを葬り去った左フックと同じパンチである。

 この試合で印象に残ったのはノニト・ドネアの素質と大きな可能性である。「パッキャオ二世」という呼び名は本物であった。それはパンチ力、スピード、技術等のハード面の強さだけではない。あえて言えば、相手の強さを分析する知的な能力と、それに合わせて試合を組立てる「編集力」とも言うべきボクシングセンスである。「ボクシングも編集であった」これが今回のドネアの試合から得た新たな発見である。いずれ階級を上げてくるであろうドネアに対して、早くも長谷川選手が対戦を希望しているという。その長谷川選手は来る4月8日に、東京の両国国技館で、西岡利晃、粟生隆寛とともにトリプルタイトルマッチを行う。先日世界チャンピオンになった井岡選手もそうであるがしばらくは軽量級のボクシングから目が離せない。

(written by わたのはな)

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by ten_i_muhou | 2011-02-25 00:45 | 暮らしのなかで
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