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東北コットン(名取圃場)の収穫祭に行ってきました。
 昨日早朝から出発して、東北コットン名取圃場の収穫祭に行ってきました。

 名取市の圃場は耕谷アグリサービスさんの単独経営で、綿花生産が長期の事業になることを考慮して、農地の復旧管理も自力でやれるところまでは全部自社でやるという姿勢を貫かれているところです。

 今年の1.2ヘクタールの綿花畑も、草取りから防虫まで農作業は毎日、現場担当の若い佐々木さんがほぼ一人でカバーされたとのこと。佐々木さんからお話を伺うと雑草とりは綿の芽がでて育ち始める頃に毎日注意していれば目に見えるので一人で十分対応できるとのこと。今年の苦労は6月以降に異常発生した蛾の幼虫が5mmくらいで見えなかったので、7月に気がついたときには花芽から茎に入り込んでしまっていて手が付けられなくなってしまい、短繊維の新疆綿(和綿種)の一角がほぼ全滅してしまった、とのことでした。(この教訓から来年は値段が高いけれど有機JASでも認められている「フェロモントラップ」を使うことを検討している、というお話でした)

 先日鳥取で行われた全国コットンサミットでも、東北コットンプロジェクトの報告で登壇された耕谷アグリサービスの佐藤社長は、75ヘクタールの被災農地がほぼ100%復旧し、今年は米を含めた従来の農作物が収穫できたことを報告されて、近隣の農家さんから委託された農地を含めて100ヘクタールの約100分の1(1%)の綿畑を、ボランティアや外的な力に過度に依存せずに、極力自力更生ですこしづつ増やし、小さくてもいいから長期に持続可能な「成功モデル」を作りたいと話されていました。

 私はこのようなお話を伺うことで、東北コットンプロジェクト参加企業の一員として、一方的な「支援者」ではなく、「長期の事業パートナー」として私たちに何ができるのか?何をなすべきなのか?を改めて考え直さなければならないと思いました。もちろん被災地復興のために現地で必要とされ、求められることに対して私たちはできる限りの農業支援やボランティアを継続しなければなりません。しかし、それ以上に私たちがなすべきことは東京をはじめとする都市部の繊維産業に携わるプロフェショナルとして、出来上がった綿花でより良い、魅力的な商品を作り、より多くのお客様(都市部の生活者の皆様)にご購入いただき、お使いいただくためのあらゆる活動(商品開発、広報宣伝、売場作り、販売員教育など)を一層強化し、東北コットン製品のファンを一人でも多く増やしていくことではないかと思います。

 東北の被災地で多くの困難を乗り越えて、復旧復興への道を着実に歩み始めた農業者の皆様の本当の「パートナー」になりうるかどうか?これからの活動が本当の試金石になるのではないかと思います。


(written by わたのはな)

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by ten_i_muhou | 2012-10-21 12:26 | わたのはな
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