堅牢で丈夫な織物はゴワゴワとして固い。ふわふわとして風合いの良い織物はもろくて、ほつれやすく、耐久力の面で問題がある…織物とは本来そういうものなのです。
「唐衣 着つつなれしに 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思う」 ご存知、在原業平の歌です。「唐衣」は当時の役人の装束ですが、これがゴワゴザとして着心地が悪い…それが、ほどよい着心地になるには、ずいぶん長い時間が必要だったらしい。この歌では、そんな唐衣に「長い間,慣れ親しみ気心も知れ合った奥さんなんだ」ということを象徴しようとしているわけですが、つまり、織物というもの、耐久力を持たせようと思えば、本来,ゴワゴワになってしまうものなのです。 ところがタオルは「最初からふわふわで、しかも丈夫な織物」です。今は当たり前のようになってしまって、殊更に感心することもなくなってしまいましたが、本当は、織物界の常識を破る画期的な発明品だったのです。 タオルは、まず「下地の布」があって、その下地にふわふわ感を確保するための糸が織り込まれているという構造を持っています(もちろん、別々に織って合わせるということではなく、いっぺんに織り出されますが) それにしても、この織物構造を最初に発明した人は、やっぱりスゴい人だと思います。 タオル業界では、この「下地」に当たる部分をグランドと呼んでいます。サッカーグラウンドにやわらかい芝が生えている…そうイメージすると、タオルの構造が見えてきます。 天衣無縫のweb-shopへ
by ten_i_muhou
| 2007-11-02 22:45
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